今日は、世界蘭展日本大賞2009 出展作品の制作について、ご紹介したいと思います。
作品の
タイトルは、「蘭・自然とともに」。
アレンジメント・いけばなの世界でもそうですが、各種展覧会において、
主役の花ではない資材を多用したり、
ワイヤリングやグルーで花を固めたりと、
人工的な技巧を凝らしたものが入賞しやすい傾向にあります。
が、今回、
私達は今一度、自然の大切さを見直し、それを表現する事を目指しました。
作ったディスプレイは、決して華やかではありませんが、
様々な蘭が、自然の中に穏やかにのびのびと育つ姿が非常にうまく表現されていると思います。
もちろん、
人工的なものは殆ど使用していません^^
下地になる机と、背景の布、鉢のラッピング紙、くらいでしょうか。
このディスプレイを見てくださった方々が、
自然のありのままの姿を美しいなあ、懐かしいなあ、と感じ、
自然破壊が進む中、自分達に出来る事は何かないだろうか。。と、
思いを馳せていただけたら
こんなに嬉しいことはありませんね。
私自身も、人工的にしか見えない作品は生理的に受け付けられないため、
今回のこの製作意図には心底惚れ惚れ。
写真撮影がメインで、殆どお手伝いしていませんが(苦笑)
と、前置きはこれくらいにして、制作の様子を順を追ってみていくことにしましょう。
1. 準備段階
借用スペースの大きさ決定。今回は、6m×4mのブースでした。
趣味家クラスだと、この大きさがスタンダードのよう。。
続いて、
作品のコンセプトおよびデザインを決定。 今回は、殆ど全てFさんにお任せしました。
必要蘭鉢の算出(借用鉢は、作品の株数の半分以下に抑える)。
協力してくださる蘭屋さんを見つける。
(神戸から蘭鉢・その他を送り出さなければなりません)
などなど、しなければならない事はたくさん。。
2. 仮制作 2月8日に有志のみで行いました。
3. 積み込み 2月11日10時から
蘭鉢などの出荷です。
会員さん自身で梱包・トレイに入れて固定したものを、順次積み込み。
ベテラン様方には、10鉢以上の花付き蘭を提供して頂きました。
総計120鉢ほど。 いや、もっとあったかも。。
今回は、植物運搬専用トラックを借りました。
手馴れたお兄さんのおかげで、作業はほどなく終了。
お昼前に須磨を出発、翌朝にはドームへ到着です。
昔は、荷台に人が乗り、鉢が転倒しないかどうかを見張られたのだとか。
現在は、法律で禁止されているため、出来ません(笑)
トラック、かなり大きいです。
ドラエもんのポケットみたいに、いくらでも入ります(爆)
4. 開梱作業 2月12日朝7時半から
トラックから、株さん達・観葉植物・資材などを降ろします。
制作スペースは空けておかなくてはなりませんが、あまりの荷物の多さに
置く場所足りず、お隣の敷地にまではみ出してしまいました。。
業者さんのブースでほとんど完成されていたため、許可されたのですが、
本当は許されません。
散らかし放題??
5. 各種目隠し
裏側・両隣展示ブースとの境界線を、観葉植物の大株で作っていきました。
また、背景部分に茶色のラティスがむき出しになっておりましたので、
大き目の緑の布を貼り付けてもらい、見えなくするという作業も併せて行いました。
写真にあるように、テーブルや組木+ベニヤ板の上に緑の布を貼り付け、
その上にお花や流木を並べていってもらいました。
もちろん、鉢の色が見えないように、丁寧に?ラッピング。
また、
がちゃがちゃしている、、ように見えるところも、最後にはすっきり! してきます。
土台作りの続きです。
ちょっと深めの資材入れをさかさまにして2段積みに。
折り畳みの木の脚組みも使い、、その上にベニヤ板を乗せます。
次いで
緑色の布で縁を隠します。
薄いベニヤ板。。。。
それでも、何人も上に乗ることが出来ます(ぷ)
お花同士の隙間に砂利やクリプトモスを敷き詰めて行き・・・。
竹筒に入れたパフィオ、ラッピングしたリカステなどを一番手前に配置。。。
しましたが、高価な花は盗難に遭うため、本当は奥の方が良いようです。
鉢のラッピング用紙は、表が茶色と裏が緑色の大きな巻物。
緑と茶色を約1:1にして、ラッピング。
何故か私が、この仕事の先導さんに。
鉢が隠れればいいやー、っと、紙がぐしゃぐしゃになってしまったものも(汗)
ラッピング鉢を綺麗に整列させて。。。
照明(2箇所)を付けると・・・、完成です!!
最後に、完成検査を受け、
周りのお掃除をし、記念撮影をして終了しました。 (2月12日午後4時頃)
以上、駆け足でしたが、
ディスプレイ制作の様子を思い出しながら書いておきました。
本当は、撤収作業をされた方々の方が大変しんどい思いをされたのですが。。。
2時間足らずのうちにこのディスプレイを解体しなくてはならないのです。
どうしても、らん展初日の方に参加したいという人の方が多くなるため
最終日=撤収日の方に参加してくださる人数が足りないのです。
今度、出展する機会があれば、その時は撤収班の方に参加しましょう。